推薦のことば
元日本超音波医学会理事長 竹原 靖明
最近の超音波検査の進歩はめざましい。臨床面では,超音波世界ではタブーとされていた分野にまで革新的進歩を齎した。その典型は消化管と整形外科領域であろう。所見の追求は「塊(マス)から線(層)」に伸展し,軟部組織の微細な変化から病変を読み取る域に至っている。その昔を知るものにとっては驚異の進歩といわざるを得ない。
この度,出版された杉山高氏は,遠く電子スキャン装置の実用化以前のいわゆる「黎明期」より,超音波検査を単なる「生体検査」ではなく「画像診断」と位置づけ,広い領域にわたり臨床超音波の進歩に寄り添って尽力されてきた人である。氏の信条は「実学」を尊び,理論より技術を,知識より経験を優先させるもので,その著書は読みやすく解りやすいのが特徴である。(抜粋) |