シルクロードの今昔
[高田 純の放射線防護学入門シリーズ]
シルクロードの今昔

2012年 タリム盆地調査から見える未曾有の核爆発災害,僧侶と科学者の運命の出会い

著者:高田 純(札幌医科大学教授)



■A5判 ■80頁
本体価格 1,000円(税別)
2013年6月発行
ISBN978-4-86003-437-5


 1964年から1996年までの30余年にわたり,中共政府は,延べ46回,総爆発威力22メガトンという広島核の1,375発分の核実験を行った。現地のウイグル人148万人以上もの殺傷被害が推定されるシルクロード楼蘭遺跡周辺は,チェルノブイリ事故の2,000万倍の総放射能に汚染され,その核ハザード地帯からの黄砂は日本にも飛び,日本人のストロンチウムの内部被曝は最大7ミリシーベルトであった。一方,福島第一原発事故による同核種の線量はその1千分の1以下である。

 2012年8月に行われたタリム盆地核ハザード調査では,1995年に調査したカザフスタンの環境中の値よりも2倍以上も高い残留放射線が検知された。

 NHKをはじめ日本のマスコミがこの問題に口を閉ざしているのはなぜか? 放射線防護学が透視する人道の課題が改めて問われる。



著者略歴

主要目次
第一部 2012年8月 核ハザード調査
・タクラマカン砂漠調査の前夜
・妨害工作を乗り越えて
・2011年3月ウランバートル科学会議
・2012年の計画 タクラマカン砂漠と周辺の調査
・調査結果 タリム盆地の核汚染はカザフスタンより深刻
・現地で見つけた青く発光するガラス
・アニワル医師の1973年の砂嵐の証言を検証
・ウイグル地区の高い発がん率
・東のクルムであった、核爆発の人体実験
・核爆発地帯にあった石たちの証言

第二部 シルクロード 光と影
・楼蘭 光と影
・探検家ヘディンの発見した楼蘭
・橘瑞超と高田純
・第二次世界大戦後のシルクロード
・世界が知ったシルクロード核爆発災害
・兵士の頭上で核が炸裂
・148万人以上が死傷
・チャイナの核武装を喜ぶ大江健三郎
・核爆発の継続期間に取材したNHK
・シルクロード観光者に白血病や悪性リンパ腫
・NHKの危険な姿勢は放送違反
・核の蛮行をスルーする小林よしのり
・自治のない新疆ウイグルで指名手配の高田純
・国内の原水禁運動の嘘と日本侵略工作
・物理は仏理


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