『医療科学通信』発刊のご案内

 『医療科学通信』は,著者と読者,読者と出版社とを結ぶサークルを構成する情報誌です。誌上を通じて出版物および出版企画の背景をなす知的・精神的風土を形成し,情報の交流を図るなかで,明日の医療と医療者のあり方,および有意な企画情報の提供を推進してまいります。
 当社は1976年に刊行された『CTシステム入門』(日本放射線技師会・編)により,事実上の出版事業を開始いたしております。以来四半世紀以上の年月を経て,主に診療放射線技師を対象とした医用画像検査ならびに関連学術書籍の刊行に意を用いてまいりました。
 X線CTをはじめとする医用画像領域は,当社の出版事業開始の時期を境に飛躍的な発展を遂げ,現在もなおそれらの技術革新は進行中であり,医療の重要な部門を形成しております。そのことは,とりもなおさず当社の読者層の中核をなす診療放射線技師の学術的な背景の確立とその資質の向上を促すと同時に,病者への医療者としてのあり方という,“医療”の根源を問い改め,医療チームの重要な構成要員としての自覚を促す契機となってまいりました。またそれ以上に,診療放射線技師が中心となって行われてきた健診業務や被ばく相談などによる一般社会との接触を通じ,医療社会でのあり方を踏まえつつ,一般国民にその職種の存在意義を問いかけるまでの意識の醸成を志向するに至っております。
 こうした読者の発展的な背景を踏まえ,当社では出版社としての旗幟を闡明にし,読者の側からその存在意義や価値を認められるべく,1992年にそれまでのマグブロス出版から「医療科学社」へと社名の変更をいたしました。
 「医療」は社会科学,人文科学を学際的に包含するものであり,「科学」は自然科学としての医学を支える広範な学問領域に延長されております。したがってそれらを統合した「医療科学」の出版を旨とする当社は,従来の専門医学書籍の出版のあり方を越えて,人間科学としての医療者の学術的背景の確立を強く志向する出版社でありたいと願っております。そのために,人類不変の営みである“生と死”およびその社会と医療者のあり方を見すえつつ,生の価値や質を高めるための研究や啓発の成果,それらに通底しかつ求められる学術系統の構築に企画の核心をおき,読者に常にその出版の意義が認められる事業の展開を継続してまいりたいと思います。
 この『医療科学通信』は,当社の以上の趣旨と出版方針を体現していくものとして,2003年1月を皮切りに年4回刊行し,常備書店店頭および学会・研修会時等にフリーマガジンとして配布します。また,記事内容は各号発刊時に前後して当社ホームページにてご覧いただけます。何とぞご愛読願いあげます。

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