Med.Sci.Report

第44回日本消化器集団検診学会総会
第23回部会研究会総会

―近い将来の技師読影―
早期胃癌検診協会 木村 俊雄
 標記総会が5月13〜14日(部会研究会総会は14日),山形市において開催された.
 今回特に目をひいたのは,部会研究会総会で,医師,診療放射線技師による合同の症例検討会が長時間にわたり開催されたことである.各症例に対し医師,技師がそれぞれ読影をし,次に参加者全員で検討する形式がとられた.また同時に,著名な医師らによる手本となる読影も行われるなど,参加者にとっては大変有意義な症例検討会となった.ただ,各症例に対し撮影技術に関するコメントがもう少し多ければ,より実践に即応したものとなり,技師読影の必要性にも結びついてくるものと思われた.次回は読影と撮影技術が一体となった症例検討会を期待したい.
 午後からのシンポジウムでは「技師読影は一次読影になり得るか」というテーマで議論がなされた.シンポジストには,技師読影に賛成の立場をとる医師と,現状では反対の立場をとる医師が参加したが,両者の発表内容にはデータをとった環境に差異が見られるなど,単純な比較はできなかった.しかし,こうした現状を認識・把握することによって次へのステップにつながっていくものと思われた.集約意見としても,技師が読影力をつければ「技師読影は問題なし」と結んでいた.
 近い将来くるであろう技師による一次読影に向け,貪欲に知識を吸収し力を備えておく必要を強く感じた.

(医療科学通信2006年1号)
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