Med.Sci.Report

第1回診療放射線技師の責任と果たすべき役割
山梨勤労者医療協会巨摩共立病院 放射線室 佐藤洋一
 最近,私は「診療放射線技師はこのまま安泰なのだろうか? 資格として安定し続けることができるのだろうか?」という不安を持ち始め,答えを見出せずにいた。
 そこで,この不安の解決策を見出そうと2004年7月4日に国立保健医療科学院で開催された日本放射線技師会主催の「第一回診療放射線技師の責任と果たすべき役割」に参加した。
 この企画は,近年の新聞報道に始まる医療放射線に対する国民の不安,信頼の低下といった問題にどのように取り組み,資格の安定化をいかにして築くのかという答えを探るチャンスと理解した。具体的内容としては,昨年度設立された3学会・1研究会より現状報告・問題提起という内容で講演が行われ,その後医療保健科学院の山口一郎先生より医師の立場からのお話もあった。また昨年度2学会から日本放射線技師会に提出された2委託研究の内容についても報告された。
 どの講師のお話を聴いても,現在の私たちの抱える問題点や,今後私たちが資格安定のために進むべき道をズバリ示していただいた気がする。今,行動を起こさないと,放射線に守られてきた私たちの資格は衰退の方向に向かってしまうかもしれない。医療という社会環境のなかで,業務の忙しさから粗雑になってしまっていた患者さんとのコミュニケーション,それを図るうえでのデータ所有の大切さといった部分が強く訴えられていたが,患者さんすなわち国民の求めていることに,つい盲目となってしまっていた自分を反省するばかりであった。
 日常,資格に対する不安を感じながら仕事をこなしている技師の方は,私だけでなくたくさんいると思う。今回のような企画を全国各地でぜひとも開催し,今後のわれわれの進むべき道について皆さんで考え,行動していきましょう!
(医療科学通信2004年3号)
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