Med.Sci.Report

第8回日本集団災害医学会
―他職種とのコラボレーション―

開会の挨拶をする前川和彦大会長


シンポジウム「災害対応における他組織とのCollaboration」座長:小村隆史(右),大橋教良(左)


パネルディスカッション「災害医療教育」
座長: 鵜飼卓(右),石井昇(左)


パネルディスカッション「災害医療教育」で「緊急被ばく医療の教育―現状と課題―」を報告する衣笠達也
 標記学会が「災害対応におけるIntegrationとCollaboration―医療は如何に関わるべきか―」をメインテーマに,2月26,27日,東京のスクワール麹町で開催された。
 シンポジウムでは,医療従事者をはじめ,行政,消防,警察,自衛隊などいろいろな立場からの報告の後,「今朝5時過ぎに静岡でマグニチュード8強の地震が発生」との仮定で,床面に設置された静岡を中心とした大きな地図を前に,11時ごろから実時間でのワークショップ風討論がなされた。「5時過ぎ発災,今あなたはどこで何をしているか,何ができるか,何が問題か」というシナリオなしの問いかけに,それぞれが応えていくというもので,前川和彦会長が希ったように,まさに「災害医療」に関心のある学会員が互いに忌憚のない意見交換と建設的な提言をする白熱したものであった。
 パネルディスカッションでは,パネリストのひとりとして原子力安全研究協会・衣笠達也が,緊急被ばく医療に関する研修事業の成果を紹介した。しかし,地震などの自然災害ではコラボレーションが機能しつつあるなかで,原発事故などの放射線災害では微妙にニュアンスが異なっているように思える。衣笠らは顔の見えるシステムづくりに努めているが,まずは,放射線の危険性と同時にそれが制御可能であると知らしめること,そこから種々の職種の統合と協調が始まるのかもしれない。
↑このページの先頭へ