21世紀のがん治療
重粒子線治療の基礎と臨床
 
編  者:辻井博彦 (放射線医学総合研究所重粒子治療センター)



■B5判・並製 ■180頁
本体価格 5,000円(税別)
2000年3月30日
発行
ISBN4-900770-83-3
 
放射線治療のなかでも特に高い効果 が期待される重粒子線治療。
  日本はいま,世界初の医療用加速器HIMACを擁する放医研をはじめとして,実施または計画中6施設を誇る重粒子線治療大国である。
  本書は,21世紀のがん治療のホープとして注目される重粒子線治療に関する基礎と臨床を取り上げるとともに,各種画像診断や臨床試験実施のあり方なども含んでおり,放射線治療に従事する医療人のみならず,ひろく一般 の医療従事者にも十分役立つ内容となっている。
  本書が,放射線腫瘍学の発展にいささかでも寄与できれば幸いである。(編者序文より)


 
主要目次

■第1章 重粒子線治療の臨床成績と将来展望
  1. 
放医研における重イオン線治療の現状と将来
  2. 
ドイツの炭素イオン療法:現状と将来展望  

■第2章 重粒子線治療装置(システム)に望むこと
  1. HIMAC重粒子線治療の基礎
  2. HIMACの治療照射技術の現状と将来
  3. HIMAC治療計画の現状と今後の展開
  4. 現場医師からの希望・提言

■第3章 重粒子線治療のための生物学
  1. 低線量での放射線感受性:低LET放射線は高LET放射線と同じように作用する
  2. 炭素イオン線分割照射効果 の特徴
  3. 神経膠芽腫の重粒子線感受性
  4. 重粒子線と温熱併用療法におけるp53遺伝子の意義
  5. 重粒子線によるVEGF発現とその機序 
    安藤総一郎
  6. 放射線治療患者の末梢血リンパ球染色体障害の解析
    ―Calyculin Aを用いたPCC+FISH法  

■第4章 重粒子線治療の水先案内人―症例で見る最新画像診断―
  1. 治療医からの症例提示
    ・頭部 
    ・肺 
    ・肝臓 
    ・子宮 
    ・骨
    ・軟部
  2. モダリティから見た癌診断―PETによる診断
  3. ECHOによる診断―肝細胞癌の重粒子線治療と超音波診断
  4. MRS/MRIによる診断
    ・MRIはどうして画になるのか?
    ・臨床における利用
  5. CTによる診断 

■第5章 臨床試験の進め方と問題点
  1. 放医研臨床試験の実施体制
  2. 新GCPとインフォームド・コンセント
  3. 医療情報室の役割
  4. 臨床試験のデザインとその成績評価 

■第6章 日本における重粒子線治療施設
  1. 筑波大学新陽子線治療施設と将来計画
  2. 国立がんセンターの陽子線治療施設
  3. 若狭湾エネルギー研究センター
  4. 静岡県がんセンター(仮称)の陽子線治療施設
  5. 兵庫県立粒子線治療センター(仮称)における粒子線治療  

●索 引