この本は今西好正氏の2作目です。前作『放射線科医のものの見方・考え方』同様、若手医師・技師向けの自家製テキストがベースになっていますが、その面影はわずかに残るのみで、新作といえるものに仕上がっています。今回も、すべてのシェーマは今西先生が自ら作成しました。スーパー放射線科医である彼にとってさえ、この書き下ろしは苦行だったようで、途中かなり疲労していましたが、無事出版に至りました。
この本は、MRI原理を心から納得・理解していただくことを目的としていますが、説明が冗長になり、かえってわかりにくくなった部分があるかもしれません。若干心配ではありますが、じっくり読んでくだされば、必ずやこの本の価値を実感いただけるでしょう。
ところで、この本の表紙や、章と章の間には、素敵な絵が多数掲載されています。米国で活躍されている画家Yumiko Uenoさんの作品です。「難解とされるMRI原理にあえてチャレンジする読者の皆さんを癒したい」という私の申し出に対し、多くの作品を快く提供してくださいました。この場を借りてお礼を申し上げます。
MRI原理をわかりやすく説明する試みはひとつの冒険ですが、さらに、暖かく胸を打つYumikoさんの作品の力を得て、今回の本は、過去に類をみない医学書になったと思っています。
オリジナリティあふれるこの本を、是非最後までお楽しみください。
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