がんの放射線治療と物理学の役割
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がんの放射線治療と物理学の役割  
 
著:遠藤真広


■A5判・並製 ■122ページ
本体価格 2,500円(税別)
2024年8月発行
ISBN978-4-86003-154-1


現在日本人の最大の死因はがんである。しかし過去50年間でがんの放射線治療の技術は日々進歩し、がんに罹患した患者のうち治癒するがん患者の割合は2/3へと増えている。1970年代に登場したCTの発展により病巣の広がりを高い精度で診断できるようになり、1990年代後半に普及した放射線治療によって治療成績が劇的に向上した。そしてこれらの技術は物理学の知見によって進歩してきた。本書では放射線治療と物理学の結びつきについて解説する。



主要目次
第1章 がん医療の今
1.がんの生存率 過去と現在
2.がんの発生メカニズム
3.がんの原因
4.がんの予防、検診、診断
(1)がんの予防
(2)がん検診
(3)精密検査とがんの診断
5.がんの治療
(1)がんの病期
(2)標準治療
6.外科治療
7.放射線治療
8.薬剤治療
(1)薬剤治療の適応
(2)薬剤治療の種類
9.免疫治療
第2章 放射線治療とはどのようなものか
1.放射線治療の技術革新
2.放射線でがんが治せる理由
3.放射線治療の流れ
4.固定具の作成と治療計画CTの撮影
5.治療計画
6.治療装置
(1)リニアック
(2)多葉コリメータ
第3章 X線を用いた高精度放射線治療
1.IMRTとはどのようなものか
2.IMRTの原理
(1)順問題と逆問題
(2)IMRTの数学的問題
3.IMRTはどのように行うか
(1)リニアックによるIMRT
(2)トモセラピー
4.IMRTの臨床応用
5.SRTとはどのようなものか
(1)ガンマナイフ
(2)サイバーナイフ
(3)汎用リニアックによるSRT
6.SBRT
(1)SBRTとはどのようなものか
(2)SBRTの臨床応用
7.IGRT
(1)腫瘍と重要臓器位置の決定
(2)治療ビームの照準
(3)X線撮影装置搭載リニアック
(4)動く臓器の追跡
8.MRIリニアックの登場とART
(1)MRIリニアックの登場
(2)ARTとはどのようなものか
第4章 粒子線治療とはどのようなものか
1.粒子線の性質
(1)粒子の基本的な性質
(2)ブラッグピーク
(3)拡大ブラッグピーク
2.陽子線と重粒子線の相違
(1)重粒子線は曲げにくい
(2)重粒子線の電離能力は30倍
3.サイクロトロン
(1)サイクロトロンの原理
(2)相対論的限界と対策
(3)超伝導サイクロトロン
4.シンクロトロン
(1)シンクロトロンの原理と構成
(2)サイクロトロンとシンクロトロンの比較
5.ガントリー
6.ビーム照射装置
7.粒子線治療装置
8.粒子線治療の評価
(1)2022年以前の評価
(2)2022年および2024年の保険改定の際の評価
(3)粒子線治療と免疫治療
第5章 BNCTと標的アイソトープ治療
1.BNCT
(1)悪性脳腫瘍
(2)BNCTとはどのようなものか
(3)加速器BNCT
2.標的アイソトープ治療
(1)RI内用療法
(2)免疫核医学治療
(3)アルファ線核種の利用
第6章 医学物理学の成立とその役割
1.放射線治療の歴史
(1)初期の放射線治療
(2)コバルト60治療装置とリニアックの導入
(3)3次元原体照射から高精度放射線治療へ
(4)治療計画装置の開発
(5)粒子線治療
2.医学物理学の放射線治療における役割
(1)機器とシステムの開発
(2)治療線量の測定と標準化
(3)医学物理士の日常業務


書評